2010年08月27日
町田酒造株式会社

今日は「 里の曙」 で有名な 町田酒造さん にお邪魔しています。
よく工場の前を車で通るのですが、入るのは初めて!
いったいどんな潜入取材になるのか、今からワクワク♪ドキドキ♪
本日、工場を案内してくれる方のもとへGO!

じゃーん
工場内を案内していただく従業員の長谷場さん(杜氏:とうじ)と永井さんです!
今回は無理なお願いに応じてくださり、ありがとうございます。
黒糖焼酎がどうやって造られているのか、是非知りたいのでどうぞよろしくお願いします!
長谷場さん:簡単に工程の説明を・・ まず原料の米を洗って蒸します。次に蒸した米に種麹(たねこうじ)をまき米麹を造ります。米麹に酵母・水を加え一次もろみを造り、その後使用する黒糖の半分を温水に溶かして加えますが、これを二次もろみといいます。次に三次もろみとして黒糖の残り半分を温水に溶かして加えます。もろみは酵母による発酵により糖分がアルコールへと変化します。もろみの発酵が終わると蒸留機により、もろみを蒸留し焼酎が出来上がります。この一連の工程をひと仕込みと呼び、洗米から蒸留までのひと仕込みに1ヶ月弱を要します。他社との相違点は黒糖を2回に分けて添加している点と、減圧蒸留器を使用している点が大まかな違いです。それでは工程順にご案内します。

永井さん:(写真は)米を洗って蒸す工程です。麹が繁殖しやすいようにお米を蒸しますが、ご飯のように水分が多くはありません。1度に約2トンのお米を蒸してから種麹をまき、米こうじを造る機械へ搬送します。


永井さん:(写真は)米麹を造る製麹機(せいきくき)の内部です。麹は米から酸と酵素を造るので、この部屋で温度・湿度を管理し、麹育成に最適の環境を維持します。麹が造る酵素は米のでんぷん質を糖へ分解する働きが、酸はもろみの腐敗防止の働きがそれぞれあります。
とここである疑問が・・・。
しーまスタッフ:黒糖焼酎は黒糖から作るのでは?米が使用されているのは何故?
永井さん:法令の定めによるものです。奄美以外の地域で黒糖のような糖質原料を使って蒸留した酒はスピリッツ(ラム)に分類されます。奄美が日本復帰した昭和28年に大島税務署管内で米麹と黒糖を併用する場合に限り、黒糖焼酎とするという特例が定められましたので、黒糖焼酎は米麹を使用しなければ酒税法上スピリッツとなるのです。
一次仕込み、二次仕込みという工程があるのですが、黒糖焼酎に限らず芋焼酎など一般的な焼酎は一次仕込みの原料に米を使って一次もろみを造ります。
二次仕込で黒糖を使用すると黒糖焼酎に、芋を使うと芋焼酎になるのです。
しーまスタッフ:なるほど!二次仕込みの過程で何の原料を使うかで決まってくるのですね!わかりやすい!


(一次もろみ)
永井さん:写真は一次もろみです。
米麹が出来上がると水、酵母を加え一次もろみを造ります。
酵母は麹の働きで出来た「糖」を消化してアルコールと炭酸ガスを造ります。一次仕込みは酵母を育て、数を増やすのがこの工程の目的です。6日後には酵母の数が1,000倍の約2億個(1グラム中)まで増えます。一次もろみの表面の泡は酵母が糖を消化してアルコールと炭酸ガスを造っているところです。
しーまスタッフ:す、すいません!質問が・・・
一次仕込みの段階でアルコールが出来ているのなら、その時点でお酒になっているのではないでしょうか?
二次仕込みまでする理由はあるのですか?
永井さん:ご質問の通り一次仕込みだけで焼酎ができますよ。それが沖縄の泡盛の造り方ですね。
一次もろみに黒糖・芋・麦などの原料を加えて発酵させると、原料に応じて香りや味に特徴のある焼酎を造ることが出来るのです。


長谷場さん:もろみの状態を温度センサー等で常時モニターしていますが最終的にはやはり「ひと」ですね
職人の手により、しっかりした設備で管理され、こうしてお酒が出来ているんですね。
凄く興味深いです!しっかり取材しておこう!

あー黒砂糖だ!
しかも凄い量。こんなに大きな黒砂糖は初めて見たぞ。
ちょっと味見していいですか?
甘い!普通の黒糖だ。(当たり前じゃん)
この黒糖を二次仕込で使用するんですね!
永井さん:はい!そうです。他社との違いで三次仕込みに黒糖を追加するのも弊社の特徴です。

先ほどの黒糖の固まりがこのように。。。
これを一次もろみに混ぜて2次もろみを造るのです♪

わぁー大きい!
このタンクは何ですか?
永井さん:これは減圧の蒸留装置ですね。今では数社のメーカーにありますが黒糖焼酎業界ではじめて減圧蒸留をしたのが「里の曙」なんですよ。蒸留釜の中の気圧を下げて蒸留するもので減圧蒸留と呼ばれています。蒸留釜内を減圧にすると、もろみの沸騰温度が下がり口当たりの良い焼酎が出来るといわれています。
蒸留機に発酵の終わった「もろみ」を入れ蒸気で加熱すると「もろみ」は沸騰します。蒸発して出てきた湯気を冷やして液体にして集めたものが「里の曙」の原酒です。アルコール度数は約44度です。
しーまスタッフ:蒸留ですか。。。
永井さん:蒸留酒というのを聞いたことがあると思いますが、焼酎は蒸留酒なんですね。
しーまスタッフ:蒸留酒以外に何があるのですか?
永井さん:はい、お酒の種類には醸造酒、蒸留酒、混成酒があります。種類ごとに有名なお酒を分類してみますとこうなります。
醸造酒:日本酒、ビール、ワインなど
蒸留酒:焼酎、ウイスキー、ブランデーなど
しーまスタッフ:うひょ~そういうことだったのか!
永井さん:さまざまな酒類と工程があるのですが、簡単に説明すると日本酒を蒸留すると米焼酎や泡盛に、ビールを蒸留するとウィスキーに、ワインを蒸留するとブランデーになるんですよ。
しーまスタッフ:うそーそうなんだ!お酒の関係性がわかり、なんか感動です


しーまスタッフ:たっ、樽があるじゃないですか!たるってウイスキーとかワインとか造るときに使用するものじゃないですか?
永井さん:はい、私たちはさまざまな新しい事にもチャレンジしています。
その一つとして、長期貯蔵した原酒を樫樽にてさらに熟成させた「里の曙GOLD」という商品を造りました。
しーまスタッフ:おいしそうですね。どんな味がするんだろう~

でっでかい!
なんですかコレは!なんかかっこいい!

ここまで大きいのが並んでいると爽快です

で、ここは何が入っているんですか?


永井さん:はい、先ほどの工程で蒸留されたお酒がここに貯蔵されています。
蒸留したてのお酒は粗いので熟成期間をおくことで美味しく変化していきます。このタンクの中で時間をかけておいしくなっていく訳です。
永井さん:このタンクの原酒を25度にして一升瓶に詰めて毎日1本飲んだとしても950年以上かかりますよ~。タンクの高さは5m以上ありますがこの上に上がりますか?
しーまスタッフ:いいんですか!やった!
しーまスタッフ:町田酒造には立派な研究室があると聞いているが非公開かなぁ
研究室という響きに惹かれて、永井さんにお願いしてみました!
研究室も見せてください!
永井さん:一部ならいいですよ!
といって案内された研究室がここだ!

ここでは焼酎を製造する設備のミニチュア版があり、色々な試行錯誤が毎日行われているようだった。
研究室まで作る気概にスタッフ一同は圧倒された!かっこいいー!

そして、分析室なるものに遭遇!
しーまスタッフ:ここは入っちゃ駄目ですよね?(厚かましい!)
永井さん:いいですよ!どうぞ




しーまスタッフ:この黒い粉はなんですか?
永井さん:私たちの会社では島の環境に負荷をかけない焼酎つくりを目指していますので、焼酎粕(かす)を炭にして土壌改良材や肥料に活用する研究も進めています。
しーまスタッフ:環境第一ですからね!島の自然についての配慮も考えられ研究されているんですね。

永井さん:さぁーここは最後の工程です。
焼酎を瓶に入れ、ラベルを貼って箱詰めするところです

真剣な眼差し!(洗った瓶の検査工程)


しっかりチェック!

ラベルを貼ってます。
これこれ!こういう機械の流れ作業の現場を見てみたかったんです!
凄いですね!
ここから全国へ発送される。
出来上がりをケースに詰めて終了です!
最後に試飲をさせてもらいました!
しーまスタッフは暫し立場を忘れてグラスを傾けた。。。
黒糖焼酎はまだまだ全国へは知られていない存在。
長い年月、島の人達が大切に守り続けてきた味、黒糖焼酎は多くの焼酎愛好家にとって最後の大発見になるだろう。
奄美群島という土地柄、黒糖焼酎を日常的に飲める環境にいるありがたさを感じ又、一滴に掛ける町田酒造の熱意を取材することができて本当に良かったです。
本日は、しーまスタッフの無理なお願いを聞いてくださり、有難うございました。
日頃愛飲している黒糖焼酎についての理解が一段と深まり、黒糖焼酎に対してますます愛着が沸いてきました。
最新の設備と、職人の手で大切に作られている奄美大島の伝統の味!
これからも島の心を世界に届けてくださいね!
本日はお忙しい中取材にご協力くださり、どうも有難うございました。
会社概要 | ||
商 号 | 町田酒造株式会社 | |
本社工場 | 〒894-0105 鹿児島県大島郡(奄美大島)龍郷町大勝3321番地 | |
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Tel | 0997-62-5011 | |
Fax | 0997-62-5012 | |
営業所 | 鹿児島営業所 099-213-5445 | |
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東京営業所 03-5812-5911 | ||
ホームページ | http://www.satoake.jp/ |
Posted by 奄美を元気にする委員会② at 17:24
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